天然アラスカ産シーフードの魅力を学ぶ「アラスカシーフード 栄養セミナー」開催
今年5月8日に、女子栄養大学で行われた「アラスカシーフード栄養セミナー」には、魚の栄養に興味を持った多くの学生の方たちが参加し、盛況なセミナーとなりました。その様子をレポートします。
第1部は、アラスカシーフードマーケティング協会トレード・レプレゼンタティブ 家形晶子氏から、アラスカやアラスカシーフードについて語っていただきました。
《将来を見据え、積極的にサステイナブルな漁業を実施》
アラスカシーフードマーケティング協会は、アラスカ州と水産業界が共同で運営している非営利団体です。北米および世界41カ国で、アラスカ産シーフードの認知拡大と価値向上を目的にマーケティング活動を行っています。アラスカは、北太平洋に面していて三方を海に囲まれた水産資源の豊富なところです。アラスカで獲れた水産物は様々な形に加工され、世界中に輸出されています。例えば日本では、スケソウダラや紅鮭、真だら、たらこ、にしん、いくらなどがあります。アラスカ産シーフードの特徴は、「100%天然」「サステイナブルな漁業で漁獲されている」ということ。アラスカでは、魚の養殖業は法律で禁止されています。また、豊かな漁場を育む海の生態系全体を傷つけることがないよう配慮した漁業管理を徹底して行っています。
《実は身近なアラスカ産シーフード》
日本の漁業の生産量は年々減少傾向にあります。現在も供給が不足している分は輸入で補われており、アラスカからも毎年10万~20万tのシーフードが輸入されています。身近なところでは、コンビニエンスストアの紅鮭やたらこ、明太子おにぎりの具材に使われていたり、スーパーの鮮魚コーナーに並んでいます。これからは、天然でサステイナブルなアラスカ産のシーフードにも注目してください。
目印は、アラスカシーフードの下記のロゴです。
《紅鮭やたらこ、スケソウダラに含まれる栄養素の健康効果》
アラスカ産シーフードに含まれている栄養素には注目すべきものが多く、ビタミンDやセレン、良質なたんぱく質について学びました。
第2部は、女子栄養大学 栄養生理学研究室 教授の上西一弘先生から、様々なアラスカ産シーフードの栄養について、お話しがありました。
《ビタミンDの不足や欠乏が昨今顕著になっている》
今回取り上げるのは、アラスカ産のスケソウダラ、紅鮭、たらこと明太子についてです。
最近注目度が高いのがスケソウダラの速筋たんぱくで、これはスケソウダラの俊敏な動きの源となり、瞬発力を発揮する「速筋」のたんぱく質です。特にスケソウダラは良質なたんぱく質を含み、カニカマやちくわのほか、プロテイン(食用)にも利用されています。
私が研究をしている栄養素に、紅鮭のビタミンDと機能性成分のアスタキサンチンがあります。ビタミンDの検査は、血液中の25(OH)D濃度を測り、30ng/ml以上ならビタミンDが足りていることになり、それ以下では不足または欠乏していることになります。女性を対象にしたある調査によれば、約90%の人たちが不足または欠乏しているという結果が出ており、全般的にビタミンDが足りないことがわかります。ビタミンDの1日の必要量は8.5μgで、鮭一切れには25.6μg含まれているので、3日分が摂取できます。学生さんに協力してもらい、1週間に2、3回、2カ月間アラスカ産紅鮭を食べてもらうと、グラフのような顕著な結果が見られました。
骨の健康に影響するので、維持するためにぜひ摂取してもらいたいですね。また、鮭にはアスタキサンチンも含まれているため、抗酸化作用や動態視力にも好影響が期待できます。
たらこはセレンの含有量が多く、100g中130μg含まれます。日本人の食事摂取基準が25μgなので1日小1本(25g)で十分。塩分もこの程度なら問題なく、たらこや明太子は塩味やうま味のアクセントとなって食が進み、高齢者の低栄養やフレイルの予防にも役立ちそうです。魚には多くの健康効果が期待できるので、これを機に、アラスカ産シーフードを積極的に食べてみてください。
《参加した学生の方からの感想》
・1人暮らしで魚を食べていなかったことを反省。今日から食べようと思います(1年生)
・紅鮭を食べないのでビタミンDの不足が心配(4年生)
・アラスカ産シーフードは天然と聞きびっくり!(4年生)
・今度から、コンビニエンスストアでおにぎりを購入するときは、アラスカシーフードのロゴをチェックします(1年生)
・セミナーを受講して、環境に配慮したアラスカ産シーフードに関心をもちました(4年生)
・スポーツ栄養学について勉強をしているので、ビタミンDの大切さに注目したいです(4年生)
女子栄養大学の学食でアラスカ産シーフードを実食
坂戸キャンパスの学食で「紅鮭の香草パン粉焼き」(写真)や「明太ポテトサラダ」などが提供され、みなさんアラスカ産シーフードを堪能しました。実際に食べた学生の方たちからは、「身の赤色が鮮やかで美しい」「塩味のバランスが良く、味が濃い」「身が締まっていておいしい」「天然のアラスカ産シーフードが100%天然だというのを初めて知り、興味を持ちました」「天然のアラスカ産シーフードが学食で食べられてうれしい。紅鮭は、バジルやトマトとも相性ぴったりですね」など、様々な感想を聞くことができました。
アラスカシーフードの最大の魅力は100%天然でサステイナブル
アラスカでは、魚の養殖が禁止されているため、アラスカ産シーフードは100%天然です。将来を見据え、この先もずっと自然の恵みを持続できるよう、サステイナブルな漁業に取り組んでいます。
協力/アラスカシーフードマーケティング協会
https://japanese.alaskaseafood.com
取材・文/浅子百合(クレッシェント)、デザイン/天野優、撮影/花田真知子