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胃を切ったあとの体調不良⋯気をつけて! それは年齢のせいでも 気持ちの問題でもない!(前編)

胃がん手術後レシピ新刊

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かつては不治の病といわれた胃がん。今は早期発見、早期治療で治癒率がぐんと向上しています。

退院後は、胃を切除してからの「新しい生活」が始まります。この新生活の過ごし方を誤ると、さまざまな体調不良が起こりうることをご存じでしょうか。そして、多くは原因不明とされ、ドクターショッピング(納得できる答えを求め、次々と医療機関を受診すること)に陥りかねないといいます。

このように警鐘を鳴らすのは、長年、消化器外科で患者さんの治療にあたる一方、胃切除後の機能障害についての研究を重ねる青木照明先生。胃を切った人の友の会「アルファ・クラブ」の顧問も務め、多くの患者さんの悩みに耳を傾けて治療に尽力してきました。
青木先生は、がん手術後のトラブルを「新病態=後遺症」だといいます。その原因と対策を解説し、後遺症を防ぐ食事を掲載した『胃がん手術後の安心ごはん』を、このたび監修していただきました。その一部をご紹介します。

体調が悪いのに、原因がわからない⋯!

この記事を読む皆さんご自身、または皆さんのまわりのかたが、胃がん手術後の体調不良に悩み、ここにたどり着かれたと思います。実際、ぐあいが悪いのに原因がわからず、老化ではないかと診断されたり、気持ちの問題だといわれたり⋯⋯といった声も耳にします。

イラスト/フクイサチヨ

では、胃を失ったことによる後遺症には、どのようなものがあるのでしょうか。以下に列記します。
●食べ物を前にしても、食欲が湧かない
●体重が減って戻らない。病的にやせてしまった
●食事中や食後に、冷や汗、動悸、めまいがする
●つらいしびれや冷えがある
●脱力感、眠け、頭痛がする
●腹痛、下痢がある。腹部に不快感がある
●吐きけを感じたり、嘔吐したりする
●少し食べただけでも、もたれたりつかえたりする
●なにを食べても味がわからない。渋味や粉っぽさを感じる
●ごはんの炊き上がりなど特有のにおいがいやになった

いかがでしょうか。「えっ! これが胃切除と関係があるの?」と思われたのではないでしょうか。皆さんが感じる体調不良と同じ症状はあったでしょうか。

書籍紹介

この記事は、『食事療養はじめの一歩シリーズ 胃を失ったあとの後遺症を防ぐ! 胃がん手術後の安心ごはん』をもとに作成しました。

食事療法はじめの一歩シリーズ
胃を失ったあとの後遺症を防ぐ!
『胃がん手術後の安心ごはん』

青木照明・金原桜子/著

B5判変型/128㌻/本体1600円(税別)

詳しくはこちら

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