『和風料理二〇〇選』が、平野レミさん(料理愛好家、タレント、シャンソン歌手)が影響を受けた本として、NHK Eテレ「趣味どきっ! 読書の森へ 本の道しるべ」で紹介されます[1月10日(火)放送予定]。
『和風料理二〇〇選』は昭和45年1月に初版が刊行されました。『二〇〇選シリーズ』の第一弾で、続いて『中国料理二〇〇選』、『洋風料理二〇〇選』の定番のほか、『四季のおべんとう二〇〇選』や『お客料理二〇〇選』、『スピード献立二〇〇選』などの便利なレシピ本、『食事のマナー』といった指南書がシリーズ化されました。
「しゅんの平凡な材料で、手を抜かずにつくり上げた味」
冒頭の「はじめに」を見ると、昭和45年ごろの食生活について、「いまは一年中、たいていのものが温室栽培で手にはいります。また一方ではインスタント料理が流行したり、電化生活が普及して便利になりました」と書かれています。そして「便利な生活の中にあっても、その中で主婦が細かな心づかいをすることにより、一家の楽しみも喜びもわいてくるものです。いいかえれば、一家のふんいきは、その家の食事からうまれるものではないでしょうか」と続きます。
さらに、「日本料理というと、お客さま向きの料理や料亭で出す料理でめんどうなものとか、またお客さま料理は高級で、家庭のおそうざいは低級なものと考えているかたが多いようです。しかし、本来の日本料理は毎日三度三度食べるおそうざいであり、しゅんの平凡な材料で、手を抜かずにつくり上げた味といえましょう」とあります。これがこの本のコンセプトといえます。
季節ごと、食材ごとの豊富なレシピ
目次を見てみると、季節ごと、食材ごとにさまざまな料理が並びます。
「春 さしみ中心の気軽なもてなし」、「夏 庭先で若い人の焼き肉パーティー」、「秋 新婚家庭のお客さま献立」「冬 水たき」などのテーマでレシピもご紹介しています。
モノクロのレシピページもあります。プロセスのイラストが味わい深いですね。
料理のコツやアドバイスも。番組ではこのあたりが映るとか映らないとか。
『和風料理二〇〇選』をはじめ「二〇〇選シリーズ」は現在は在庫がなく、残念ながら入手することができません。
これらのシリーズがルーツとなり、現在も女子栄養大学出版部では、料理のコツや栄養バランスのよい献立を紹介した書籍を多数刊行しています。
このサイト内からぜひ検索してみてください。