「これを食べさせても大丈夫かしら?」
「除去食を毎日作るのが大変」
「子供を預けて復職するのが不安で…」
子どもに食物アレルギーがあるとわかった日から、お母さん、お父さんは、日々さまざまな不安のタネが生まれることと思います。
まずお伝えしたいのは、子どもの食物アレルギーの多くは、7~8割が小学校入学前に治るということです。そう思うと、気持ちが少し楽になりませんか。
そして、それまでの道のりを迷わず歩むためには、2つのことがたいせつです。
食物アレルギーについて、知識をアップデートしよう!
ますひとつめは「正しい知識をもつこと」。
食物アレルギーの医療は目まぐるしく進歩しているため、昔の常識が、180度変わっていることがあります。
たとえば、症状がないのに「不安だから離乳食を遅らせる」というのはまちがいです。
今は、離乳食を遅らせても食物アレルギー予防の効果はないことがわかってきました。
逆に遅らせるとかえってアレルギー発症のリスクが高くなるという研究結果もあります。離乳食は、子どもの様子を見ながら、生後5~6か月ごろから始めるのが望ましいとされています。
「心配だから」「念のため」と除去する食物を増やしてしまうことはありませんか?今は、医師の指導のもと「食物除去は、必要最小限に行う」のが基本の考え方です。
最新の考え方を理解し、信頼できる専門医を選ぶことで、正しい治療を安心してすすめていくことができます。
悩んだときは、家族だけで抱え込まない
2つめは「ひとりで抱えこまないこと」です。
食物アレルギーの長い道のりでは、生活の中でさまざまな悩みや問題が生じます。それらをすべてひとりで、または家族だけで抱え込むのは、とても大変です。
信頼できる主治医に相談するのはもちろん、家族や、祖父母、ママ友さんなど、周囲の人にも、日ごろから、うまく食物アレルギーのことを伝えておくと、同じ状況でも気持ちは少し軽くなりますし、ひとりでは見えない解決策も見つかります。
また、赤ちゃんから幼児になるにつれ、子供が手元から離れる時間が増えてきます。
保育園や幼稚園に預けるときには不安を感じるかもしれませんが、信頼できる園ならば、いっしょに子どもの成長を見守る、頼もしいパートナーを得ることができます。
今、保育園や幼稚園には、食物アレルギーの子どもを安全に受け入れるために、国で定められたガイドライン(※)があります。
※「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」(文部科学省)など
預ける園は、はたしてガイドラインにのっとった対応をしているかどうか、それが、信頼できる預け先を見極めるひとつの目安になります。
食物アレルギーはとても大変ですが、親もそして子どもも、食のこと、体のことを深く知り、日々の生活の中でくふうしながら対応していく、そんな力を学ぶ、かけがえのない経験と言えるかもしれません。
そんな長い食物アレルギーの道のりを支える本をつくりたいと願い、『子どもの食物アレルギー あんしんBOOK』を作りました。アレルギー診療の第一人者の専門医、管理栄養士が、最新の情報をもとに、「ここが知りたい!」に徹底的にこたえます。
【本の内容】
子どもを守るための確かな情報が1冊にまとまっています。困ったときにめくれば、正しい方向がわかる、肩の力を抜いて歩んでいける、そんなあなたの”あんしんBOOK”としてぜひお役立てください。
知っておきたい「食物アレルギーの新常識」をマンガと共にわかりやすく解説します。予防•診断•治療•食事の最新情報がわかります。
また、保育園や幼稚園、祖父母に安心して預けるために必要な情報やポイントを具体的に紹介します。
毎日の食事作りに必要な、「成長に必要な栄養のとり方」「迷いがちな食品表示の見方」「誤食を防ぐ調理のコツ」「かんたん代替食6つのポイント」「家族みんなで食べるあんしんレシピ」も詳しく紹介します。
関連書籍
忙しいママ&パパのお悩み解決!
『子どもの食物アレルギー あんしんBOOK』
[監修]
今井 孝成 昭和大学医学部小児科学講座教授
近藤 康人 藤田医科大学ばんたね病院小児科教授
高松 伸枝 別府大学食物栄養科学部教授
B5判変型 176ページ/定価1980円(税込)