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食品成分表

連載【26】厚生労働省からの通知「『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』の取扱いについて」が公表されています(3)

知れば知るほどおもしろい!「食品成分表」渡邊智子栄養学食品成分表

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渡邊智子 学校法人食糧学院 東京栄養食糧専門学校 校長

 

わたなべともこ東京栄養食糧専門学校校長。医学博士。千葉県立衛生短期大学、千葉県立保健医療大学、淑徳大学を経て現職。千葉県立保健医療大学名誉教授、千葉県学校保健学会理事長。文部科学省による日本食品標準成分表の策定に食品成分委員会委員等として30年にわたり携わり、成分表活用の研究・提言を行なう。千葉県食育推進県民会議委員として千葉県の食育ツール(グー・パー食生活ガイドブック等)の開発・普及も行なっている。

「緑黄色野菜」の分類も公表

厚生労働省健康局 健康課長より「健健発0804第1号」として(令和3年8月4日づけ)で通知された「『日本食品標準成分表2020 年版(八訂)』の取扱いについて」。今回は

2 栄養指導等における留意点

を見てみましょう。

従来、栄養指導において野菜については「緑黄色野菜」の分類を設けて取り 扱ってきたところである。緑黄色野菜とは、原則として可食部 100g 当たりβ カロテン当量が 600μg 以上のものとし、ただし、β-カロテン当量が 600μg 未 満であっても、トマト、ピーマンなど一部の野菜については、摂取量及び摂取頻度等を勘案の上設定しているものである。

別表「緑黄色野菜」において、上記の緑黄色野菜の考え方を適用し、成分表 2020 年版の内容を踏まえて整理したものとしてお示しする。

このように記載の上、別表に食品名が記載されています。

なお、β-カロテン当量は、下記の式で計算します。

β-カロテン当量(μg)

= β-カロテン(μg)+ 1/2 α-カロテン(μg)+1/ 2 β-クリプトキサンチン(μg)

緑黄色野菜として示された「別表の食品」について、食品番号、β-カロテン当量およびレチノール活性当量**を一覧に示しましたが()、レチノール活性当量は、下記の式で計算します。

**レチノール活性当量(μgRAE)

=レチノール(μg)+1/ 12 β-カロテン当量(μg)

でも100g中にβ-カロテン当量が 600μg 未満の食品を緑文字にしましたが、

「アスパラガス 若茎 生」、「いんげんまめ さやいんげん 若ざや 生」、「(えんどう類) さやえんどう 若ざや 生」、「ししとう 果実 生」、「たらのめ 若芽 生」、「(トマト類) 赤色トマト 果実 生」、「(ピーマン類) 青ピーマン 果実」の7食品です。

「β-カロテン」の調理による損失は…

β-カロテンは、調理による成分損失が少ない食品です。成分表2020年版(八訂)の調理による成分変化率表から、ゆで調理と炒め調理について、β-カロテン当量およびレチノール活性当量の調理による成分変化率(調理による成分残存率)***に示しました。

*** β-カロテン当量の調理による成分変化率(%)

=β-カロテン(µg)/生100gに対応する調理後重量当たり ÷ β-カロテン(µg)/生100g当たり × 100

(レチノール活性当量も同様に算出します)

図 β-カロテン当量およびレチノール活性当量の調理による成分変化率

からわかるように、β-カロテン(当量)およびレチノール活性当量は、調理による損失が少ない成分です。そのため、の値は、摂取した量の目安になります。

 

表 緑黄色野菜(食品番号、食品名、β-カロテン(当量)およびレチノール活性当量

厚生労働省は、成分表の改訂に伴い、その取り扱いを『「日本食品標準成分表2020 年版( 八 訂)」の取扱いについて』として通知しています。これまでの通知を必ず見ていたかたは、今回の通知を待っていたと思います。一方、ここで初めて知ったかたもいらっしゃるかもしれません。

成分表2020年版(八訂)は、本連載で記載してきたように、エネルギーとエネルギー産生成分の選択方法が3つもあります。皆さんの中には、今回の通知で、「〇〇を選んでください!」という記載を期待したかたもいらっしゃるかもしれません。

しかし、通知では示されていませんでしたので、それぞれがよく考えて成分表2020年版(八訂)のエネルギーとエネルギー産生成分の選択をしましょう。

成分表の策定に関わった私のおすすめは、より確からしい値である成分表2020年版(八訂)のエネルギーと、そのエネルギー産生成分です(給与目標量との比較を確認するために、成分表2015年版のエネルギー量も手元資料とすると安心です)。

もちろん、ほかの方法も間違いではありません。

栄養計算結果の表示には、どの方法で行なったかを記載するのを忘れずに!

みんなで使い方をくふうしていきましょう。

 

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