「病気になっても、おいしいものをあきらめたくない」――料理家・重野佐和子さんが大腸がん患者として感じたこと、体験したこと、そして試行錯誤を重ねたレシピ約50品を収載。
フランスでの料理修行を経て料理家として独立した重野佐和子さんは、広告や雑誌、料理教室等で活躍する中で大腸がんの宣告を受けました。術後、再発の不安をかかえつつ過ごした2005年に『きょうも、おいしく』を上梓。それから16年。当時のレシピはそのままに、病歴や現在に至る解説を刷新した新訂版を2021年秋に発刊しました。
著者 重野佐和子(しげの・さわこ)
学生時代から趣味が高じて料理研究家のアトリエでアルバイトを始め、そのまま料理の世界に入る。フランス留学後独立し、教室や広告撮影、メニュープランニングを行なう。大腸がん手術を機におなかの健康を第一に考えた料理やお菓子を発信している。著書に『大腸がん手術後の100日レシピ』(女子栄養大学出版部)などがある。shigenosawako.com
料理・文/重野佐和子 撮影/公文美和 本文デザイン/河村ゆり子 表紙・カバーデザイン/館森則之(module)
下血を機に病院を受診、検査を受けて大腸がんが見つかった重野さん。
そのときの心境を「アコヤ貝」にたとえている。食いしん坊で、おいしいものを作って人を喜ばせる職業ゆえの思いが巡る日々。
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収載料理例
表紙の料理レシピ
材料/2人分
かぼちゃ(皮と種を除く)……200g
牛乳……1カップ
塩……少量
食パン……1枚
作り方
1 かぼちゃは一口大に切る。
2 なべに入れ、ひたひたの水を加えてふたをし、強めの中火で約10分ゆでる。最後にふたをとって水分をとばす。
3 ミキサーに移し、牛乳を加えてなめらかになるまで攪拌する。
4 なべに戻して温め、塩で味をととのえる。
5 パンは約2㎝の角切りにし、オーブントースターでカリッとなるまで焼く。アツアツのスープに、パンをたっぷりのせて食べる。
*とろみが強いときは牛乳でのばすとよい。