朝食の欠食は、いくつかの研究からパフォーマンスへの影響もあることが示されています。
たとえば、朝食を習慣的に食べている人が欠食をすることで、
▶レジスタンス運動(筋肉に負荷をかける動作をくり返す運動)のパフォーマンスが低下すること
▶朝食の欠食によって夕方の30分間の自転車運動のパフォーマンスを低下させること
も示されています。
また、朝食を欠食して、糖質がしっかりととれなかった場合、
▶夕方の長時間の持久的なパフォーマンスを低下させること
も示されています。
これらのことから考えると、瞬発的な運動と持久的な運動のどちらにも朝食の欠食が影響を与えると考えられます。
別の研究では、朝食を習慣的に欠食している人は、朝食を食べている人に比べて
▶四肢の除脂肪量が低値となる可能性がある
という報告もみられます。このことから、除脂肪量を増加させたいと考えるアスリートが朝食を欠食すると、体づくりが効率的にできない可能性があると考えられます。
このように、アスリートにとって朝食を欠食することは、パフォーマンスに直接影響が出るだけでなく、体づくりにも大きな影響を及ぼすのです。朝食をしっかりとることは、コンディションを整えることにつながり、パフォーマンスを向上させる可能性があります。
以上は『アスリートのための朝食術』の中で紹介されている一部です。研究文献もちゃんと示されていて信頼できる情報です。
朝は眠くて1分でも寝ていたい! ましてや朝練もあるし! 朝からごはんを作るなんて面倒くさい! そんな声も聞こえてきそうですが、強くなりたいアスリートは、毎日の朝食をしっかり食べるように心がけたいものです。
そこで、本書ではとにかくカンタンで、毎日続けられる朝ごはんをご紹介します。
料理ビギナーでもカンタン!
「5分以内」「加熱なし」「電子レンジのみ」「包丁いらず」「オーブントースターのみ」こんなアイコンがそれぞれのレシピについています。コンビニでも手に入る「野菜ミックス」や納豆パック、サバ缶なども使った、お手軽レシピが満載です。
アスリートにとって大事なたんぱく質や糖質を十分にとれるレシピ、1品でいろんな栄養がとれる単品レシピもあれば、夕食で作った肉じゃがや豚肉の生姜焼き、ポトフ、鍋料理などをアレンジした朝食レシピも重宝します。
さらに、トレーニング期、朝練のある日、試合前、試合当日、試合後、オフ期、遠征時など、アスリートのさまざまなシチュエーションに応じて、その時期、そのタイミングにぴったりの朝食献立もご紹介します。
撮影/青山紀子
イラスト/みずす
書籍紹介
科学的な裏付けのあるレシピをたくさん紹介しています。
実践すれば体が変わることを実感できるはすです。
一人暮らしでも、朝練の日でも、遠征の日でも
これなら続けられる
『アスリートのための朝食術』
田口素子/監修
早稲田大学スポーツ栄養研究所・エームサービス株式会社/著
B5判/120㌻/本体1400円(税別)