コロナの影響で、スポーツ界も観客制限の中で試合を開催したりと、新しいスタイルを模索しながら、前に進もうとしています。そんな中、黒人犠牲者の名前入りのマスクをつけて大会に臨んだ、大坂なおみ選手の全米オープン優勝は、スポーツの持つ力を改めて世界中に知らしめたできごとでした。
アスリート達もスポーツ愛好家もスポーツ大好きな子どもたちも、それぞれにくふうしながら練習を再開し、目標に向けて体づくりをされていることでしょう。
スポーツするための体づくりに、いまや栄養学は欠かせないものだということは、皆さん、多かれ少なかれ意識されていることでしょう。
女子栄養大学出版部では、スポーツ栄養をテーマにした本をいくつか出版しています。
2020年オリンピックイヤーに向けて、昨年度末からこの春に向けて、『スポーツする人のためのリカバリーごはん』『女子栄養大学のスポーツ栄養教室』『アスリートのための朝食術』とスポーツ栄養の本を続けて出版いたしました。
ところが、残念ながらこの夏のオリンピックは開催されず、コロナ禍で書店さんへの流通もままならない状況でした。
そこで、これらの本を中心に、以前出版したスポーツ栄養の本をまとめてご紹介します。
みなさんのお役に立つ一冊を、みつけていただけることを願っています。
人気のイラストレーター八重樫王明さんのイラストが楽しい、絵本のような本。ページをめくるのがワクワクします。
管理栄養士・河谷彰子さん監修。河谷さんは日本女子大学で管理栄養士専攻後、筑波大学大学院でコーチ学を専攻。フリーの管理栄養士として、サッカー、ラグビー、自転車競技等のジュニア世代からプロアスリートをサポートしています。レシピ考案と料理は人気料理家のみないきぬこさん。
本書では、運動後の疲労したからだを、食事でいかに効率よく「リカバリー」するかにテーマを絞ってみました。ポイントは、①なるべく早く補給する、②炭水化物をとる、③たんぱく質をとる、④水分をとる、ことのようです。おにぎりをはじめ、料理ビギナーが実践しやすいアスリートレシピをお届けしています。
子どもから大人まで一家で楽しみながら読んで、役立つ一冊です。スポーツ大好き家族のみなさまに。
女子栄養大学教授、上西一弘先生監修。本学では、スポーツをする高校生や指導者、マネージャーなどを対象に、全国各地の高校を中心に、年に4~6回ほどスポーツ栄養セミナーを開催しています。講師の一人である上西教授のお話は毎回大好評です。
そのエッセンスを一冊にまとめました。上西教授は、スポーツ強豪校の高校、大学の栄養サポートの指導にも定評があります。
スポーツ栄養の基礎から、スポーツの種目別(①筋力・瞬発力型、②持久力型、③混合型、④体操、ゴルフなど)と目的別(①筋肉をつける、②持久力をつける、③けがを予防する、④体重を増やす、⑤体重を減らす、⑥疲労を回復する)に、そのポイントとレシピを紹介しています。
スポーツ栄養の基礎知識はマンガで紹介。親しみやすくてわかりやすい、高校生・大学生アスリートやスポーツ栄養士を目指す学生さんにぴったりの一冊です。
日本のスポーツ栄養界の第一人者、田口素子先生監修。日本ではじめてバルセロナオリンピックに競技団体専属管理栄養士として帯同。現在、早稲田大学スポーツ栄養研究所所長として、日本のスポーツ栄養をけん引する存在です。
本書は、当研究所が研究連携するエームサービス株式会社との共同研究の成果をもとに企画されました。スポーツ栄養のたいせつさを感じているはずのアスリート達の朝食欠食率の高さに注目。高校生から大学・実業団の女性アスリート約1000人を対象とした調査では、約27%が週1日以上朝食を欠食しているという結果も。男性アスリートでは球技系の欠食率が高いというデータもあります。
アスリートたちに、朝食を欠食することのリスクをしっかり知ってもらいたい!アスリートにとって朝食を食べないことは、パフォーマンスに直接影響するだけでなく、体づくりにも大きな影響を及ぼします。
料理ビギナーの人でもカンタンに作れるレシピをたくさん紹介しています。
学生アスリートのみなさんにぜひお勧めの一冊です。
球団の選手たちの栄養管理を任されている、日本ハム株式会社中央研究所の管理栄養士による実践スポーツ栄養本。
球団の選手6名とトレーナーへの「食」についてのインタビュー記事と実際の球団選手への栄養指導の様子を、巻頭でたっぷり紹介。日ハムファンにはたまりません。
ファイターズの選手たちが実践する、食事の心がまえは3つの「さん」。
①3つの働きの食べ物をいろいろ食べる
②1日3回食べる
③サンキュウ―の気持ちを大切に食べる
この心がまえをベースに、一般家庭でも活用できるレシピを紹介。
カラダを作る栄養素と強くなるための工夫などスポーツ栄養の基本を押さえつつ、野球少年や甲子園を目指す高校球児たちの食事へのモチベーションを高めるのにうってつけの一冊です。
日本体育協会、樋口満監修。本書は、早稲田大学スポーツ科学学術院教授で日本のスポーツ科学の第一人者である樋口先生が中心となり進めてきた「スポーツ食育プログラム」開発の調査研究の成果をもとに生まれたものです。2010年の初版以来、今も増刷のかかるロングセラー本です。
本書は、「からだのしくみ」「食事バランスのととのえ方」「愛情をかけて料理する」「保護者のための簡単料理パターン」「子どものスポーツ医学」「スポーツ食育のための行動科学」「状況別のスポーツ食育」「試合のときの食事」をテーマに、イラストや写真を交えて、わかりやすく解説します。小中学生のためのスポーツ栄養の決定版といってもよいでしょう。
保護者はもちろんスポーツ指導者に役立つ情報が満載です。
本書の内容のポイントをまとめたDVD付きで、小学校高学年以上のお子さんであれば、例えばチームの仲間でご覧になって、食の知識や食への意識を高めるツールとしてお使いいただけます。
木村修一先生監修のもと、日本ハム株式会社中央研究所の研究員が執筆。北海道日本ハムファイターズの栄養管理をする中で得た知見を、スポーツをする子どもたちのために、わかりやすくアレンジしています。
ファイターズの選手への指導経験をもとに、子ども目線に置き換えて、クイズや自分の食事を書き出してみるコーナーなど、イラストを交えて、楽しくスポーツ栄養の基本を学ぶことができる仕掛けがいっぱい。朝昼夕の6献立とそれぞれのアレンジ単品レシピも掲載しています。スポーツをする子どもたちを応援する願いをこめた一冊です。