書籍

がん悪液質に立ち向かう食事 やせを防いで治療効果を高める

がん悪液質に立ち向かう食事 やせを防いで治療効果を高める

■森直治、竹内知子、原なおり、土田実佳、清水加奈子/著
■978-4-7895-1440-8
■B5判変型 182mm×235mm 112ページ
■定価:1,980円(本体1,800円+税)
■発行年月:2025年3月

商品説明

悪液質(あくえきしつ)とは、がんや心不全、腎不全などの慢性消耗性疾患が原因でやせてしまったり、食欲不振で衰弱してしまったりする症状のことです。がん患者の28~57%、心不全患者の16~42%、腎不全患者の30~60%が悪液質を発症しているという報告もあります。

がん悪液質のおもな症状は食欲不振体重減少(筋肉の減少)で、進行すると生命にかかわります。飢餓による栄養不良とは異なり、必要なエネルギーや栄養素を補うだけでは充分な成果を上げることができませんでした。なぜなら悪液質は、「代謝異常による異化亢進」と「食欲不振による栄養不良」が複雑にからみ合って発症するからです。 

 がんでやせるのは当たり前ではなく、アジア人の場合、3~6か月で2%(体重50㎏の人なら1㎏、70㎏の人なら1.4㎏に相当)でも体重が減ったら悪液質に気をつけるべきです。しかし医療者でさえ、「がんの手術後に体重は減るものだ」などと誤って患者さんに伝えてしまうことがあります。 

 悪液質の診断がなされないまま栄養状態が悪化し、元に戻ることができない状態(不可逆的栄養不良)にならないためには、栄養状態の改善が可能な早い段階からのとり組みがとても重要になります。ひいてはそれががんの治療効果を高めることにつながります。 

外科医として勤めていた著者の森直治先生は、「患者さんの栄養状態をよくしないと、せっかく手術しても治療効果が上がらない」ことを痛感し、現在の地位に就かれました。本書は、森先生のご指導のもと、がん悪液質に立ち向かうための食生活の対策を一般向けにやさしく解説した初の書籍です。 

本書のポイント

1)「がん悪液質」とはなにかを一般向けに解説する初の書籍。その複雑なメカニズムと対策法がよくわかります。

2)「患者の栄養状態をよくして治療効果を高めたい」と、外科医から転身した著者による医療解説。さらに、患者の栄養状態がよくなる人気の病院食を、管理栄養士が家庭用にアレンジしてご紹介。おいしさはもちろん、作る手間や費用面も考慮されています。

3)がんと診断されたその日からのとり組みがわかります。悪液質の診断がなされないまま栄養状態が悪化し、身体機能やQOLが低下することを防ぎます。

本書の構成

〇第1章 悪液質を知る
がんの治療効果をも左右してしまいますが、早期の対応で進行を遅らせることがたいせつです。 悪液質とはなにか、進行を遅らせるにはどうしたらよいかを解説します。
〇第2章 治療をサポートする食事
悪液質を防ぐために、また、がんの治療効果を高めるために基本になるのは毎日の食事。 なにをどれだけ食べたらいいかを、1日の献立例でご紹介します。 食欲がないとき、体調が悪いときの食事もあわせてアドバイスします。
〇第3章 食欲が出てくる料理
うま味が多い肉、健康によい魚、調理しやすい卵、低脂肪高たんぱく質の大豆製品、体の調子をととのえる野菜など、いろいろな食材をおいしく食べるレシピ集。食べやすい汁物、スープ、ごはんやめん、パン、おやつなどのレシピも満載です。

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